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夏を涼しく~夏座敷~

夏座敷19

家の作りようは、夏を旨とすべし。
冬は、いかなるところにも住まる。
暑き比、悪しき住まいは、堪へ難き事なり 

          吉田兼好「徒然草」

昔の家では夏になると、ふすまや障子を外して、「簾戸(すど)」に替え、「簾(すだれ)」を吊るし、
畳の上には「籐むしろ」や「籐あじろ」を敷いた。

模様替して今日よりの夏座敷(長蘆葉愁)

「夏座敷」には、蒸し暑い日本の夏を快適に過ごすための先人達の知恵と日本人独特の繊細な美意識があった。

籐むしろの上で大の字で寝ると冷たくて気持ちがいい。浴衣を着て端居に置いた籐の椅子で冷たい物をいただく。
風鈴の音を聞きながら、夕方には打ち水、団扇片手に涼をとる。
夏布団に蚊帳・・・日本古来の豊かな夏の住まい、「涼を心で味わう」まさに夏座敷の醍醐味である。
そこには自然と暮らしを融合させる情緒があった。

今の住まいは、和室がないから畳もなく、床は全てフローリング、各室にエアコンありきが前提に作られている。
これを生活の豊かさというのであろうか!
技術の進歩が逆に自然環境に逆らった面もいがめない。だからしっぺ返しに合う。
原点に返って自然と優しく付き合う姿勢を取り返すべきだ。「住」も同様ではないか。

床の間、床柱、畳、襖、障子、縁側・・・世界に誇れる日本の精神文化である。
「日本のもてなし」の原点は、「伝統的な暮らし」の中にある。「和道」といってもいい。
四季のある日本、自然と対話して暮らすには床の間のある文化と芸術の和室、畳の間が本命である。
日本人の心・感性は増々劣化していくように思えてならない。

マンションであろうとも工夫次第では涼しい演出はできる。
我が家なりの「夏座敷」設えてみませんか。
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[ 2019/07/14 07:09 ] 和文化 | TB(0) | CM(0)