自然の恵み~土筆(つくし)~

土筆野やよろこぶ母に摘みあます (長谷川かな女)

つくし」と言えば母を思い出す。
大腿部を骨折し入院していた時、車椅子で院内を散策途中、つくしを見つけ大喜びしたのだ。
散策の都度つくしを数本摘み、生けて、後はお汁の中に・・・
見つけて、摘んで、生けて、食べて・・数本のつくしに子供の頃に帰ったように楽しんだ。
余程嬉しかったのだろう。

1畑の土筆

一つ長く一つ短しつくづくし (正岡子規)

肥料のよく効いた休耕畑の“つくし”は太くて長いものが沢山生えてる。
だが、見ての通り、筆の穂先のような胞子嚢は、殆どが胞子を飛ばし、カサカサ、終盤の様相を呈している。

下草の間から頭を出した、頭がよく締まっていて色が褐色の若い土筆を探しては摘む。
茎も長く弾力もあり、胞子のほろ苦さと茎の歯ざわりは何とも言えない。
若い頃は後の事も考えず沢山採ったものだ。
今は一人、多く摘んでも後が大変だし、腰にも悪いからそこそこで止めた。
2採った土筆
風味が落ちるので、なるべく早く調理するに越したことはない。
軸にある鞘(はかま)は葉が退化したもので硬くて食べられない。
一本一本綺麗に鞘をむしり取り、水に放す。

この鞘取りが採るより何倍か手間がかかる。
しかも指先と爪が灰汁で汚れ、なかなか取れない厄介ものである。
作業する度に鞘が無ければな~といつも思う。

土筆の袴取りつつ話すほどのこと (大橋敦子)

鞘を取ったつくしをよく水洗いし、ザルにあげて水切りする。
3水洗い4水切り

土をでしばかりの土筆鍋に煮る (百合山羽)

大きめの鍋にお湯を沸騰させ、水切りしたつくしを中に入れる。
つくしの胞子が湯に溶け込み、緑色に変わるまで4~5分湯掻き、ざるに取り、水切りをする。
5湯掻く6ざるに
土筆は茹でると分量かかなり減ります。だから沢山採るのですが・・・

今回はきんぴらにしました。
湯掻いて水切りしたつくしをゴマ油で炒めて、炒め上がったら醤油とみりんを入れ、
水分を飛ばして味をからめます。ごく簡単です。
7炒める

つくしは天ぷら、玉子とじ、茶碗蒸し、酢の物、お浸し、和え物、お吸い物など、
一般の野菜と同じ素材として調理できます。
茹でた状態で冷凍保存もできます。

栄養的にはカロチン,カリウム,ビタミンC・B2を含み、
高血圧,風邪,眼精疲労、鼻炎、糖尿病, 炎胆石、花粉症に有効があります。

子規の句のように古句には「つくづくし」と詠んだものが多いですが、
「つくしんぼ」「筆の花」とも詠まれ、「土筆野」「土筆摘む」「土筆和(つくしあえ)」
という季語もあります。

ちょっぴりほろ苦く、野趣を感じさせる春の味わい。
8きんぴら
白ご飯とともに"いただきまーす"。
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[ 2013/03/28 20:59 ] 食材 | TB(0) | CM(0)