葉月に想う

7月31日は「夏越の祓」。
日本武尊の霊が白鳥となって舞い降りたという伝説が残る、近くに鎮座する「白鳥神社」では
拝殿前の直径2m余りの茅の輪が設置される。
夏越だんごの販売や花火大会も行われ、毎年多くの参拝者が訪れる。

母の分ンも一ツ潜るちのわ哉(一茶)

夏越は夏の終わりであり、明日からは「葉月」に入る。
7日はもう「立秋」。これは暦上のこと。今日も猛暑日が続く。
「炎暑」「極暑」「酷暑」「猛暑」「劫暑」・・灼くる夏盛りである。
豪雨は勘弁ねがいたいが一雨欲しいものである。
香川県綾川町滝宮に1000年に渡り伝わる”雨乞い踊り”、25日と言わず明日にでもやってくれないものか。
オリンピック、高校野球と浮かれているが震災復興は途上、九州など豪雨災害の被災者もこの猛暑の中、
どのように生活をされているのか心配になる。
去ったら報道はない。

6日は広島平和記念日、9日が長崎原爆の日、15日は終戦記念日である。
先の太平洋戦争では300万人もの戦死者を出した。
戦争や戦後の貧困の模様を語りつく方も少なくなってきた。

同時に戦後復興、豊かさの追求の中で忘れて来たものがある。
それは日本の文化と日本人の心である。

今日の日本は、家庭崩壊、人間不信、自己中心の言動と社会規範の消失、いじめ、虐待、異常行動、
人命軽視など過去にはなかったような事件が毎日のように起る異常な社会である。

衣・食・住の生活、伝統の芸・技、行事、礼儀、言葉遣い、道徳、精神など先人たちが様々な形で
積み上げ、歴史の中で生み出された文化もすでに崩壊したと言ってもよい。
終戦から67年、失ったものは余りにも多い。

13日から16日は正月と並ぶ国民的な行事「月遅れのお盆」を迎える。
毎年のことであるが民族大移動が起きる。
お盆といっても最近は夏休みレジャー的色彩が強くなってきているが、本来は「祖霊・豊穣・魂」の三つ
をおまつりする行事なのである。

「まつり」という言葉は「祀る」の名詞形で、本来は神を祀ること、またはその儀式を指すものであり、
主に豊作を祈願する4月と収穫を感謝して11月に行われていた。これが村祭り。

都市の発達とともに悪疫退散、無病息災を祈願する祭礼がおこなわれるようになってきた。これが夏祭り。
皮きりは、7月3日、福岡の「博多祇園山笠」、次いで京都八坂神社の「祇園祭」、大阪の「天満天神祭」。
8月に入り、青森の「ねぶた祭」、秋田の「竿燈祭」、仙台の「七夕まつり」、と
東北の三大祭りが上旬に行われる。

盆踊りは、先祖の霊を音曲と踊りで歓迎し、慰め、見送るためのものです。
全国最大規模の盆踊りが徳島の「阿波踊り」(12~15日)、400年以上の歴史を誇ります。
それに対抗してできたのが高知の「よさこい祭」(9~12日)、もう全国的に有名ですね。

季語の世界では単に“祭”といえば夏祭をさします。春のものは「春祭」、秋に行われるの
は「秋祭」と頭に季節をつけます。“踊”といえば盆踊りをさします。

盆は皆に逢ふて踊って一夜きり(大野林火)
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[ 2012/07/31 10:52 ] コラム | TB(0) | CM(4)