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今日は彼岸の入り

庭の彼岸花過去

我あるは先祖のおかげ秋彼岸(茂木とみ)
墓守は誰に継がせむ彼岸入(柴田正子)


今日は秋の彼岸の入り。
彼岸を境に暑さは和らぐ。今日の最高気温は28度、10日間予報を見ても25度前後である。
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる所以だ。

彼岸」とは暦上の雑節の一つである。
22日の「秋分の日」が中日、25日が彼岸明け、今日から7日間が、お彼岸の期間である。

単に彼岸と言えば春の彼岸を言い、秋の彼岸は「秋彼岸」とか「後(のち)の彼岸」と表現する。
彼岸は、亡き先祖に感謝し、その霊をなぐさめ、自分も身をつつしみ極楽往生を願う日本特有の仏教行事である。
平安時代より始まった、とされる彼岸は貴族の行事であった。民間に広がったのは江戸時代からである。
お彼岸には、お墓参りや、法事を行い、仏壇におはぎ等をお供えして、ご先祖の冥福を祈る習わしになっている。
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[ 2020/09/19 07:57 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)

秋の雲

春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く…(正岡子規)

季節は空から変わる」というが、春夏秋冬、四季を通じて様々な雲が登場する。
散歩時の楽しみの一つである。


秋の雲1秋の雲2

秋の雲 いよいよ高く 登りけり(正岡子規)
すい~と 流れて早し 秋の雲(幸田露伴)


「天高く馬肥ゆる秋」、夏の入道雲から、ひつじ雲、いわし雲、うろこ雲・・・
高く澄んだ秋らしい空が見られるようになってきた。
ひつじ雲は、高度2000~7000キロ程度にできる「高積雲(こうせきうん)」の俗称。
叢雲(むらくも)、斑雲(まだらぐも)とも言う。

うろこ雲、いわし雲、さば雲は「巻積雲(けんせきうん)」の俗称。
魚の鱗や水面の波のような形状をし、高度5000~15000キロ程度にできる雲である。
「絹積雲」とも書く。

一番高いところにできる雲が、「巻雲(けんうん)」。すじ雲、はね雲、しらす雲ともいう。
砂の上をほうきで掃いたような、薄いすじ状の雲である。
高い所にあるこの三つを「上層雲」という。


四電雲の種類 ヨンデン

秋の空は七度半変わる」という。男心か女心か?変わりやすいのが秋の空。
巻積雲が現れると天気下り坂のサイン、通りで今日は曇り、明日は雨だ。
[ 2020/09/16 09:09 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)

秋の雨

虎丸山を望む過去

今日は「秋雨前線」に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、全国的に大気の状態が不安定で、
局地的に落雷や竜巻などの激しい雨や突風、雹(ひょう)などにも注意が必要との予報。
異例の残暑もそろそろ幕を下ろそうとしている。
19日は「秋の彼岸入り」、「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだ。

陰暦9月を「長月」と呼ぶが,これは“長雨の月”という意味である。
秋に降る雨は風物詩、とても風情がある。
秋雨前線は長くて数日間で、あまり長続きはしないが、台風とぶつかると活動をより活発化させて大雨となる
こともある。 「台風が前線を刺激」などと表現される。

秋雨や 色づきたけて 野路の草(西山泊雲)
雨だれの棒の如しや秋の雨(高野素十)
この路地に折れ来て秋霖匂い立つ(樋渡美津子)
ひとりごと言うては答ふ秋湿り(深谷雄大)
はてもなく瀬のなる音や秋黴雨(中村史邦)
霧雨に濡れて背の濃き秋の駒(山崎一枝)


万葉集には「春雨(はるさめ)」を詠んだ歌は多いが、「秋雨(あきさめ)」という言葉はない。
江戸時代中ごろにようやく登場する。

秋の雨は、秋霖(しゅうりん)、秋湿り、秋黴雨・秋入梅(あきついり)、霧雨、すすき梅雨、冷雨(れいう)、
白驟雨(はくしゅうう)
などとも呼ばれる。

どの句を見ても「寂しく秋に降る冷たい雨」というイメージである。春雨のように濡れて歩こうなんて雨じゃない。
風情はあるが春ほどじゃない、比較して嫌われたのであろうか?
だが、最近の秋の雨は寂しさどころじゃない。「数十年に1度」「過去経験のない」と表現されるほどのゲリラ豪雨。
被害も大きく続出している。
歳時記の「秋雨」の意味は今や昔、「秋に降るすさまじい豪雨」に変えるべきかも知れない。
変わりやすいのは秋の・・・とはよく言ったものだ。
[ 2020/09/11 05:26 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)

秋の風

秋の風 薄過去

台風10号が去った。今日は二百二十日、今、台風の目はないが・・・
昼間はまだまだ真夏のように感じられるが、朝夕の風に秋の気配が混ざり始めた。
二十四節気「立秋」の初候、七十二候は「涼風至(すずかぜいたる)」時期は8月7日から12日頃の5日間である。
「涼風」というのは俳句の上では夏の季語。暦の上では秋の始まり。
暑いからこそ涼しさを感じる、いや感じたいということだろう。
しかし、実際は夏の盛り、現代は連日の猛暑日、実感としては一か月遅れ、今頃である。

秋に吹く風にもいろいろあるが、代表的なものをあげると、

◇秋の初風
ほのかにひんやりとした風が吹いて、秋の到来を告げるそよ風。秋を感じる初めての涼風。
夏草と見し間に秋の初風や(松瀬青々)

◇秋風
秋に吹く風全般。初秋の風もあり、仲秋のさわやかな風、晩秋の冷ややかな風をいう場合もある。
よもすがら秋風聞くや裏の山(河合曾良)
物言えば唇寒し秋の風(松尾芭蕉)

◇色なき風
中国の陰陽五行説により秋の色は白、春や夏の華やかさがないことから色のない風が吹くとあらわした。
五行で秋は金にあたるので「金風(きんぷう)」とも呼ぶ。
籠らばや色なき風の音聞きて(相生垣瓜人)

◇爽籟(そうらい)
秋風の爽やかな響き、風が物に当たって発する音のこと。
「籟」とは、三つ穴のある笛の音、風が当たって発する響きのことをいうようになった。
爽籟や空にみなぎる月あかり(日野草城)

◇黍嵐(きびあらし)
収穫の時期を迎えた黍(里芋のこと)の大きな葉っぱを、倒さんばかりに吹く強い風のことをいう。「芋嵐」ともいう。
風の戸の鳴る暁や黍嵐(桂信子)

「色なき風」、「爽籟」、「金風」は「秋の風」の別名。 日本人の感性には驚いてしまいます。
[ 2020/09/10 09:01 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)

重陽の節供

重陽16年床の間

露ながら折りてかざさむ菊の花 老いせぬ秋の久しかるべく(古今和歌集:紀友則)

今日9月9日は、菊を様々に用いて長寿を願う「重陽の節供」、五節句を締めくくる行事である。
「陽が重なる」、陽は奇数、極数の9が重なる9月9日は、非常に縁起が良い日。「重九(ちょうく)」とも。
また最もめでたい花である菊の月から陰暦九月を「菊月」ともいう。

菊の原産地は中国。菊の強い香りで邪気を祓うい、長命を願うという風習が平安時代の初めに日本に伝わった。
宮中では中語に習い、観菊の宴が催されるようになった。
別名「菊の節供」とも呼ばれ、その後江戸時代までは最も盛んに行われていた。
今では五節供の中でも影が薄くなった。

母筆 重陽白紙賛

菊花の宴の主な内容は
◇被せ綿
前の晩に菊に赤・白・黄色の真綿を被せ、9日の朝、夜露と香りの沁み込んだ綿で体を拭き不老長寿を願う行事。
綿きせて十程若し菊の花(小林一茶)
枯菊に着綿程の雲もなし(正岡子規)


◇菊酒
杯に菊の花びらを浮かべた菊酒を酌み交わし、栗飯を食べて菊花を観賞する行事。
草の戸や 日暮れてくれし 菊の酒(芭蕉)

◇菊湯・菊枕
菊の香りには邪気を払う力があり、花びらを湯船に浮かべた「菊湯」に入ったり、乾燥した菊の花びらを詰めた
「菊枕」で眠ったりする行事。
野に摘みし菊も少しや菊枕(橋本鶏二)

昔は旧暦、9月9日、今年で言えば10月25日、菊が美しい季節だった。
今はだまだ暑い盛り、菊もなく、廃れるはずである。まして宮中の行事。
農民の間では「御九日(おくんち)」といわれ、収穫祭が行われていたのです。

宮中と言えば、今の皇室。
紋章は十六弁の八重菊である。鎌倉時代の後鳥羽上皇が好み、その後受け継がれてきた。
十六弁の表菊が皇室、十四弁の裏菊は宮家と規定されたのは明治2年で、これを天皇家や宮家以外が使用する
ことを禁じたのは明治4年である。
[ 2020/09/09 07:34 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)