土用の丑

梅雨も明けて、いよいよ夏本番。今夏はどうやら猛暑日が多そうだ。
夏になると冬が恋しく、冬になると夏が恋しくなる。
身勝手は私だけか?

今日は「土用の丑」。
夏の土用の丑の日は元来、「う」のつく物を食べる習慣がもともとあった。
梅干し、うどん、瓜類などである。
暑い時季に体に良いとされていたからである。

それに「うなぎ」が加わったのは、さぬき市出身の平賀源内が仕掛けたもの。
冬が旬のうなぎは、夏は旨くなく売れなかった。
うなぎ屋から相談をうけた源内先生は、「“本日丑の日”」という張り紙を店に貼れと提案した。
これが当たったのだ。
俗説ではあるが、以来今日に至るまで夏の「土用の丑の日=ウナギ」が定着したとのことである。
「蒲焼」は夏の季語にまでなっている。
この日が来るとうなぎを食べたくなる。
考えれば不思議な食文化である。

うなぎは完全養殖が確立しておらず、天然の稚魚(シラスウナギ)を漁獲して養殖するしかない。
日本の大量消費、蒲焼の世界拡大もあってシラスウナギの採捕量は、ピーク時である1963年の
232トンから3.6トンと激減、極めて憂慮すべき事態にある。

すっかり「高嶺の花」になったうなぎ、土用鰻と浮かれている時ではない。
ますます食卓から遠のくのは間違いない。
絶滅危惧種に指定されてから2年余り、生態についても、少しずつ解明されており、
保護に向けた国際的な動きは強まってはいる。
種の保存に知恵と工夫が喫緊だ。

代用食品としてさんま、穴子、豚肉、ナスなどがある。
今年はナマズに熱い視線が注がれている。
果たして、うなぎ上りで代用品となるのか?

うなぎ屋には悪いが、一年中とは言わない。
天然物でなく養殖でいい、日本の食文化としてせめて夏の土用は代用ではなく、
本物を口にし続けられるようにと願うばかりだ。

うなぎ

土用丑 最後のうなぎか 思ひ喰う

うな重、う巻き、うざく、うなぎの吸い物(肝吸いや土用蜆じゃない)、トマトのワイン漬。
これに奈良漬を、デザートを土用餅を添えれば完璧だ。

今日は“なん(7)がさ(3)る(0)”「梅干しの日」でもある。
昔からうなぎとは食べ合わせが悪いと言われているが、これは食べ過ぎを戒める古人の知恵。
本当は相性がいいのだ。
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[ 2016/07/30 12:11 ] 食文化 | TB(0) | CM(0)

たかが米 されど米

おにぎり

4月12日のブログに「コメ離れ」のことを書いた。
http://sanbonmatu431.blog122.fc2.com/blog-entry-719.html

それを裏付けるショッキングな調査結果が、この程農林水産省から出された。
何と、“20才代の男性の約2割が1カ月間コメを食べない”というのだ。
“ガ~ン”
全体の93.2%の人は米を食べているから、辛うじて「米の文化、日本」は保たれていると
見ていいと思うが、若者のコメ離れ、この数値は本当なのか?
1カ月間も米を食べてないということは、米は食べないということだ。
女性も約1割もいる、これは衝撃的なことだ。

家庭でも外食でも米は食べない?
コンビニのおにぎり、回転寿司や丼物、ピラフ、炒飯などは若者好みと思っていたが・・・
パンやうどん、そば、パスタなど小麦粉しか食べないのだろうか?
だとすれば、お味噌汁もおかずも食べないということになる。
朝も昼も晩もパンや麺類の日常生活なんて、私には到底理解が出来ない。

家庭の「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは、和食文化が生活の中で
薄れつつある“日本人よ、それでいいのか”との警告と受け止めたい。

[ 2016/05/08 07:32 ] 食文化 | TB(0) | CM(0)

五味・五色・五法・五適・五感

先日「五の言葉」について述べた。その続編とでもゆおうか・・

「五味・五色・五法・五適・五感」日本料理の基本である。
これも中国の陰陽五行説の理論から生まれたものだ。

五味とは、「甘味、塩味、酸味、苦味、うま味」味の味覚です。
五味がそろうと、おいしく食べられる ということです。
辛みとか渋みは味覚ではなく痛覚によるものです。

五色とは、「赤、青(緑)、黄、黒、白」
白は清潔感、黒は引き締め、黄と赤は食欲増進、青は安心感を表す色と考えられています。

五法とは、「生、煮る、焼く、揚げる、蒸す」の調理法。

五適とは、「適温、適材、適量、適技、適心」
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、旬の食材やお客さまに合った素材を使う、
多すぎず、少なすぎず、技巧に懲りすぎず、おもてなしの心を持つ。

五感とは「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚」のこと

「日本料理は目で味わう」という言葉もあります。
これらを上手に組み合わせることによって、美味しく、栄養のバランスもよく、
目にも美しい季節感溢れる日本料理が作られるということです。

世界の料理は数々ありますが、日本料理の最大の特徴は“うま味”です。
欧米の料理は「甘い」「塩からい」「酸っぱい」「苦い」だけで“うま味”はないのです。
だから大味なんですね。
日本料理は昆布、鰹節、煮干しなどで必ず出汁をとります。
この出汁に含まれているのが“うま味”です。
科学的にはグルタミン酸ソーダ、イノシン酸、グアニル酸などと呼ばれるものです。
これが料理の美味しさを生む大切な役割を果たしているのです。
うま味
日本うま味調味料協会

また、盛付ける際は、3品、5品、7品の素材で構成します。
つまり陽の数字、「奇数」を大切にしています。

次に「旬」を大切にということです。
以前にも書きましたが、

時期的には、「はしり」「旬」「名残」のものがあります。
「海のもの」「山のもの」「里のもの」を取り合わせて使います。
ただ、茶懐石の場合は旬のものを使います。はしりのものを使うことは殆どありません。
名残も10月の名残の茶事以外では使いません。
季節を無視した献立は、日本料理とは言えないくらい大切なことなのです。
[ 2013/01/31 22:17 ] 食文化 | TB(0) | CM(0)

「身土不二(しんどふじ)」のすすめ

「身土不二」とは、「身体(身)と環境(土)はバラバラではない(不二)」という意味である。
「地産地消」、人間の身体は住んでいる風土や環境と密接に関係していて、その土地の自然に適応した
旬の作物を育て、食べることで健康に生きられるということである。


日本人は長年に渡ってご飯に味噌汁、漬物、野菜の煮物、魚介類などが平均的な食生活だった。
ほとんどが植物性の食材で、動物性のものは少なかった。

しかし、戦後日本人の食生活は米からパン食へ、植物性の食材から動物性の食材へと急速に欧米化した。
終戦直後の食糧難やアメリカからの農産物戦略などから国は伝統的な日本型食生活よりも欧米流の食生活こそ
望ましいと考え、「栄養改善運動」に熱心に取り組んだのが最大の要因だ。

実際、身の回りを見ると海外物がやたらと多い。輸入物ばかりであると言っても過言ではない。
野菜、果物、肉、魚介、乳製品、豆、パン、麺類、調味料等々、
日本の食料自給率(カロリーベース)は39%まで落ち込んでいる。

誰もが国産だと思い込んでいる醤油の自給率は0%、原料の大豆は全量輸入です。
味噌は35%、以前、信州の大手味噌メーカーに見学に行った際、「大豆は全て中国産、粗悪で石や不純物が多く、
その処理が大変だが、国産は量もさることながら全く採算ベースに乗らない」とのことだった。
納豆は13%、豆腐が30%。ごま、辛子、こしょう、カレー粉、紅茶、コーヒーに至っては0%である。
小麦粉は7%、だから食パンは0%、中華麺・パスタは3%。
魚介ではブリのみ100%、エビが5%、エサを殆ど海外に頼っている肉類は、豚が5%、鶏肉が7%(卵9%)、
牛は10%しかない。

ファミレスがはやり、スーパー・カフェ・コンビニ・ファーストフードなどの進展で高カロリーな
食べ物を手軽に摂取できようにもなった。
ハンバーグやスパゲッティ、カレーライスなどは家庭でも手軽に作れるようになったし、
清涼飲料水、ケーキ類、スナック菓子、チョコレートなど子供が喜ぶものも溢れている。
世はまさにグルメブームである。

「身土不二」は旬がキーであるが、殆どの野菜・果物類は年中売場にあり、季節感も無くなった。
その結果、糖尿病, 脳卒中. 心臓病, 脂質異常症. 高血圧, 肥満などの生活習慣病が急増し、
しかも低年齢化しつつある。
癌の発生は増加し、かっては無かった花粉症や逆流性胃腸炎なども多くなっている。

発酵学者の小泉武夫さんは「和食の基本食材は7つ。根菜、菜、青果、山菜、大豆、海草、米雑穀だ」という。
これらの食材に共通しているのは植物、豊富なミネラルです。
このミネラルの摂取量が4分の1に落ちてしまった。
直ぐにキレたり、青少年の犯罪の増加はここに要因があるというのだ。

日本人は農耕民族、草食系の民族である。それに対応した遺伝子を持っているのだ。
その証拠に腸の長さが違う。欧米人の4mに対し、日本人は7mと、約1.5倍も長い。
食物繊維を消化するためだ。

世界の栄養学者も「日本の食生活は、栄養のバランスがいい、カロリーの摂り方が理想的、食材がヘルシー」
この3点は素晴らしと指摘。今世界各国で日本食ブーム、和食ファンが増加している。
下手をすれば柔道や相撲界のようになりかねない。

政府も政策転換、和食を世界無形文化遺産にとユネスコ本部に申請した。

“地産地消、日本人よ、和食に帰れ” 
お母さん、それでも他人任せの「食」を子供に食べさせますか!

大内産直
[ 2013/01/27 11:51 ] 食文化 | TB(0) | CM(2)

ミカンの次もミカン

こたつで食べるといえば、温州ミカンと相場が決まっている。
そのミカンも終わりを迎え、次のミカン類が出始めた。

四国の代表格といえば「伊予かん」、旬は2~3月であるがもう出始めた。
みかん類とオレンジ類の交雑種。甘くて香りも爽やか、果汁が豊富なのが最大の魅力。
袋ごと食べられれば最高なのだが・・・果汁が滴り落ちて手がベタベタになるのが難点。
ビタミンCやクエン酸もたっぷり、女性に嬉しい美容と健康に効果あります。

これから旬を迎える「デコポン」と「ポンカン」。
デコポン、正式名称(品種名)は「不知火(しらぬい)」と言います。
愛媛では「ヒメポン」、徳島は「ポンダリン」などとも呼ばれます。
清美とポンカンの交雑種で、頭の部分が出っ張っているのが特徴です。
糖度13 度以上と甘みが強く、皮がむきやすくて袋ごと食べられるのも魅力です。
ビタミンと食物繊維が多く、美肌、便秘、肥満防止に効果があります。

ポンカンはインド原産の柑橘だが、高知の誇る美味しいブランドである。
デコポンの親だが、形は小型でこちらが子供のよう。
果汁はやや少なめだが独特の芳香と甘みが強くコクのある味わいが最大の特徴。
外皮はミカンの様に剥きやすく、薄皮ごと食べられるのも魅力。
少し種があり、バラつきがあるのが難点だ。
現在出回っているのは早生、しかも寒さの影響をうけ、甘味に欠けます。
本来の美味しさは2月からでしょうか。
ビタミンCを豊富に含んでおり、シネフィリンとともに風邪予防、疲労回復、整腸、
便秘などに効果があります。
みかん盛り
左上が伊予かん、右上がデコポン、下中がポンカン。
下左は「レモン」。12月上旬に採り、野菜室で今まで寝かせていました。
下右は沖縄名護特産の「シークワーサー」、今朝採取しました。
すだちやユズと同じように果汁を絞って薬味として利用します。
血糖値の上昇を抑える効果があるというので1本植えましたが、1年中使えるほど成りません。
レモンの木シークワーサーの木
左:レモンの木 右:シークワーサーの木
[ 2013/01/12 17:45 ] 食文化 | TB(0) | CM(0)