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露草色

露草色に使った露草

月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも(万葉集)

「露草」は真夏の朝に鮮やかな淡い青い花を咲かせる。
日本各地の路傍や畑、小川のほとりに群生している。
雑草で嫌われもするが、葉に朝露が弾く姿は猛暑を忘れさせるような清涼感がある。
夕方にはしぼんでしまう。

別名は「蛍草」「藍花」「青花」「千草」「移草(うつしぐさ)」「帽子花」「着き草」など.。
万葉集では「月草」「鴨頭草(つきくさ)」の名で表現されている。
色が付くからである。

古くは摺染(すりぞめ)に。簡単に脱色できる特性から友禅や紋染、陶器の下絵作業に用いられてきた。

この露草の鮮やかな青を「露草色」という。
本来は露草色と言わず、「縹色(はなだ色)」と呼んでいた。
露草の花が一面に咲く田にちなむもの。
後に「花田」と書かれ、近世では「花色」と略されている。
露草色はより淡く鮮やかな紫みの強い青色である。
江戸時代後期には着物の裏地は花色木綿と相場が決まっていたようです。
藍染が普及してからは使われなくなった。
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[ 2019/08/12 08:33 ] 草木 | TB(0) | CM(0)

木槿(むくげ)

白ムクゲ紅ムクゲ

雨はれて心すがしくなりにけり窓より見ゆる白木槿のはな(斎藤茂吉)

真夏に向けて咲く花の代表といえば「木槿」であろう。別名を 「Rose of Sharon(シャロンのばら)」という。
ハイビスカスの花に似ている通り、ハイビスカス(フヨウ)の仲間であり、奈良時代に中国から渡来した。
花は直径10cm~18cmほどで五弁の一重、八重、半八重咲きがあり、色は白、ピンク、紅紫、水色などがある。

早朝に花を開き、夕方にはしぼんでしまう「一日花」である。
次々と咲き続け、夏から秋にかけて長期間楽しむことができる。
庭木として広く植栽されるほか、夏の茶花としても欠かせない花である。

良く見かけるのは白地で花の底が赤い花を咲かせる品種で「日の丸」と呼ばれる。
千利休の孫で茶人の千 宗旦が特に愛したことから「宗旦ムクゲ」とも呼ばれている。

茶席の花はつぼみが基本であるが、木槿だけは完全に開花したものを使う。
夏に催す朝茶事、早朝咲いた最も良い瞬間を客に見ていただくために考えられたものですね。
「槿花一朝の夢」、一日花ゆえに「一期一会」の趣を愛でるのに相応しい花なのです。
[ 2019/07/24 07:46 ] 草木 | TB(0) | CM(0)

夏椿と沙羅双樹

朝から蝉の音がかまびすしくなった。梅雨明けが近いのであろう。

瑞応寺の夏椿全体瑞応寺夏椿アップ

夏椿御廟を守りて咲き出でぬ (石井桐陰)
夏椿一花一花を誘ひ落つ (泉田秋硯)


「夏椿」。高さ10~20メートルになる落葉高木。すっきりした綺麗な花、なんとも涼しげな風情があります。
憂鬱な梅雨時期、心を和ませる花の一つです。
花の形が椿に良く似ていて、夏に開花することから「夏椿」と呼ばれるようになった。

夏椿五弁の一つ紅さして (土川照恵)

直径5~7㎝程の花は透き通ったような白色で、5枚の花弁の縁にはギザギザがある。
中心花糸がオレンジ色の雄蕊。幹はサルスベリのようにツルツルしている。
朝に開花し、夕方には落花する一日花です。

夏椿諸行無常を生きてをり(志方章子)
沙羅の散る音は浄土に還る音 (宮崎稔子)


別名「沙羅の花」と呼ばれ、お寺に多く植えられている。
「沙羅(しゃら)」の名はお釈迦様入滅の場所に植えられていたという「沙羅双樹(さらそうじゅ)」からきている。
だが別の木である。本当の沙羅の花は,インドからネパール近辺において見られるフタバガキ科の「サラノキ」の花のことをいう。残念ながら寒さに弱く、日本で育てることはできない。
唯一日本で見られるのは,滋賀県草津市立水生植物園だけである。しかも隔年毎にしか咲かない。
残念ながら見たことがない。
お寺の「夏椿」はその代用なのである。

祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必滅の・・・
平家物語の冒頭の「沙羅双樹」、作者は日本には無いことを知ってかいたかどうか、定かではないが「夏椿」の花を見て、「沙羅双樹の花」としたのではないか。
何れも諸行無常と盛者必衰の理を表すのには相応しい花なのである。

政党も「盛者必衰」、明日はわからない、果たして今回の結果は・・・
それも「諸行無常」なのだ。
[ 2019/07/21 09:06 ] 草木 | TB(0) | CM(0)

睡蓮&紫陽花

7日、高松市の南部「花の寺」と言われる「勝名寺(真宗興正派)」を訪れた。
亡き母の古里でもある。


睡蓮22睡蓮23

睡蓮のすき間の水に雨の文 (富安風生)

お寺の手前に小さいが睡蓮池がある。
睡蓮は昼に開き、夕方には閉じて、その後は睡ったようになる。
だから「睡蓮」なのだ。小雨模様の昼間である。
切れ込みのある楕円形の葉を水面に浮かべ、その間に花を咲かせている。
雨との相性も良さそうだ。

紫陽花の 咲けば咲かねば 悔ひとつ(加藤楸邨)

目的は紫陽花である。20種、約1500株が植えられている。
昨年の6月12日、粟井神社(観音寺市)の紫陽花を紹介した。
この神社の株を植えたもので子にあたる。
見事といいたいところであるが、まだ早かった。
見頃は20日ごろか? 再訪しよう。


紫陽花13紫陽花11
紫陽花21紫陽花14
あしたば16紫陽花10
紫陽花27紫陽花28

[ 2019/06/10 05:20 ] 草木 | TB(0) | CM(0)

枇杷の実

枇杷袋掛け

一つづつ実を確かめて袋掛け(塩川雄三)

春に「袋掛」した枇杷が収穫時期を迎えている。
果実の一つひとつに袋掛けするのは重労働、手がかかっている。
鳥獣が来ないのなら袋掛けなんかしない方がいい。
太陽をサンサンと浴びるほど甘味が増すからである。
でも最近はカラスがくる。袋をしていても熟れた実を上手に獲る。賢いのだ。
だから木全体に防御網も掛けなくてはならない。
知人宅も数年そうしていたが、今年は網をせずにいた。カラスは来ていない。
試食すると、オレンジ色も増し、甘さはもう一歩だけど食べられるという。

枇杷の収穫時期は難しい。3~4日遅れると果皮にシワができるからである。
悩んだ末、収穫するというので手伝いがてら出かけた。

やはらかき紙につつまれ枇杷のあり (篠原梵)
陽はいつも褒めことばめき枇杷熟るる(鎌倉佐弓)


品種は「茂木」、その枝に房の大きい「大房」を接いで1本で2種獲れる。

枇杷の名の由来は、大きな葉の形が楽器の琵琶に似ているからといわれている。
昔は実より葉が重宝された。「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」、葉は薬の王様だったのだ。
「桃栗三年柿八年枇杷十三年」実がなるには長らくかかる。
初夏を感じさせられる果実の一つである。香川県は全国3~4位の生産量を誇る。


ちぎった枇杷

沢山いただき、娘2の孫にも届けた。
東京で幼児のびわアレルギーが発生し、気にしていたが美味しく食べて欲しい。

初ものの枇杷のつんつるりんと剥け(高澤良一)

初物の枇杷、剥くのはおしりから、するっと気持ちよく剥ける。
ジューシー、甘さひかえめでやさしい味である。種は年の数だけお風呂に入れる。
ポリフェノール類が多く含まれているとはいえ年の数まで!
幾つ食べなきゃいけないのだ・・・食べ過ぎだ。
肌スベスベ?若返り?それももう効果ないか!!


枇杷盆に

一盆に枇杷かく盛れば~ (高野素十)
[ 2019/06/09 05:06 ] 草木 | TB(0) | CM(0)