"ところてん"

ところてん昭和がふつと顔を出す (藤田湘子)

中川義博大兄から乾燥した”テングサ”をいただいた。
白鳥の海岸で採取したものを洗い、数日間干し上げたものである。

テングサ 
約200g。50gで15人分相当だから60人分もある。

①50gを軽く水洗する。黒い部分を取り除き、1時間位漬け置く。

テングサ洗う

②深い鍋に移し、水合計で2.5ℓとし強火にかける。

テングサ大鍋に 鍋は5ℓ用です。

③沸騰したら、時々箸でかき混ぜ、白く泡立ち吹きこぼれるほどになれば、
 中火にし、30分ほど煮る。
 (煮出しやすくするために小さじ1杯の酢を入れる方もいるが、入れなくてもよい)

テングサ煮る

④ザルを用いてフキン等で濾す。
 最後に絞るが熱いのでトングを使った。

テングサ絞る
 きめ細かくするためフキンは二重にした。

⑤熱いうちに別容器に移す。

テングサ容器に

⑥冷まして固まると、上に水に浮かべて冷蔵庫に入れる。


心太突くに一瞬息止むる (渡辺清子)

⑦トコロテンをつき棒に入る大きさに切り、器に突き出す。

⑧完成!!

トコロテン完成
黒密・きなこ&野菜サラダトコロテン
関西は黒蜜で食べるのが一般的です。

ほんのり磯の風味がして本物の味わいです。
日本の夏ですね~中川大兄に感謝です。

トコロテンは冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
冷凍もできますが食べる時は再度煮溶かし固めます。
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[ 2017/08/12 05:08 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

初カツオ

たたき

目には青葉 山ほととぎす 初鰹(山口素堂)

鎌倉を 生て出けむ 初鰹(芭蕉)
かまくらの砂ほぜり出す初鰹 (許六)

素堂は江戸時代の俳人である。
カツオが生で食べるようになったのは、江戸時代からである。

「初物」を食べると長生きすると言われていた。
中でも4~5月の初鰹は「のぼりカツオ」と珍重され、誰もが食べられたわけではなかった。

江戸に運ばれるカツオは、主に前日の夜に鎌倉沖でとれたものであった。
新鮮度を保つため、早船や早馬で運ばれ、先ずは将軍に献上された。
残りは武士や大店の旦那衆が高値で買うのである。

板に小判一枚初鰹(其角)
初松魚べらぼうと申す言葉あり(子規)
初松魚とは夏の走りのカツオのこと

初ガツオのご祝儀相場は金三両との記録もあるように、
庶民には高嶺の花だったのである。
「女房を 質に入れても 初鰹」という例えがあるように、
背伸びしてでも食べたかったのが初鰹なのである。

当時は刺身にして芥子醤油で食べていた。

今では、スーパーにいけば、手軽に手に入る。
しかしこのところ年々漁獲量が減少している。
今年は特に顕著だ。不漁で高値だ。例年の3、4倍もする。

カツオと言えば“一本釣りとたたき”土佐では過去20年で最低水準に落ち込んでいる。
黒潮に乗って日本沖に来る前に、外国の大型巻き網漁でごっそり捕獲されてしまうからだ。
戻りカツオも期待できないのは言うまでもない。

カツオも国際的な資源管理が必至になってきた。
江戸時代に逆戻りは勘弁願いたい。
[ 2017/05/18 20:03 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

わらび餅&心太

わらび餅口中のこの寂寥よ( 堀井春一郎)

わらび餅


わらび餅は、植物のワラビからとるわらび粉で作る。
だからわらび餅は春の季語となっている。

究極と言われる極上のわらび粉は年間で200kg程度しか採取されない。
本物を食べるとすれば京都に行かねばならない。

「本わらび粉」と表示していても本物は極わずかである。
「わらび粉」の表示なら100%わらび以外のデンプン粉である。
本物に拘らなかったら、春でなくても四季折々美味しく食べることができる。

これからは氷水で冷やして食べるのがいい。
抹茶密にきな粉を少しかけた。
ツルンとしてモッチリだ。



かゝる日や今年も一度心太 (太祇)

心太


一方、夏の風物詩と言えば「心太(ところてん)」だ。
古く奈良時代から食べられていた日本の伝統食品である。

心太とはなんだ? 
もとは「凝海藻(こるもは、こころふと)」と呼んでいたそうだ。
如何にもながったらしい。そこで“こころふと”を「心太」の二字をあてたらしい。
その後「こころた」、「こころてい」、「こころてん」を経て、幕末から明治に入り、
「ところてん」と呼ばれるようになったと言われている。

天草(テングサ)から作った寒天を水に煮溶かし冷し固め、それを四角く細長い筒状の
「天突き」と呼ばれる専用の器具に四角く手頃な大きさに切って入れ、突きだす。

決めては水の旨さ。
井戸水、山水で冷やした心太を屋外で食べるのは夏の醍醐味の一つである。
さぬきでは坂出の八十場の湧水を使った、「清水屋(きよみずや)」が有名処。
創業200余年、江戸時代から続く老舗である。

関東では二・三杯酢に辛子、関西では黒蜜、きな粉でいただく人が多い。
柚子蜜をたっぷりかけた。
箸一本で食べるというが、やはり二本が食べやすい。
うどんのように、噛まずにツルツルとすするように食べるのだ。
[ 2017/05/15 14:28 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

春野菜3種戴く

水野君頂き物

今が旬の春野菜をいただいた。 
全て自家栽培、自然のものだ。

掘りたてといふ筍の甘さかな (稲畑廣太郎)

」少し遅いのではと思われる人がいると思うが、孟宗竹は今が最も美味しい。
朝掘りだ。
京都の料亭では店に隣接して竹林がある。
採った瞬間からアクが出るため、2時間以内に調理をするからだそうだ。
時間勝負、掘り立ちは皮を全て剥いで水から湯掻く。
ヌカなんか必要ないのだ。
穂先はワサビ醤油で、中央部は若竹煮に根元は焼くか揚げ物だ。


笠の内しめらせてをる春子かな( 山野みどり)

椎茸」は4月と10月が旬だ。
春は「春子」、秋は「秋子」という。
春子は秋子に比べ香りは劣るが味がいい。
シンプルに焼いてスダチ・醤油をかけて食べるのが一番だ。


たらの芽天ぷら揚げて独りといふさびしさ (鈴木真砂女)

桜の開花と重なる「たらの芽」、山菜の王様です。
最近は栽培ものが出回っていますが、天然ものには比べようもない。
たらの芽はタラの木の頂上に芽が付いている。
3~4mもあるので高枝ばさみなどの道具がないと採れない。
春だけの貴重な食べ物である。
やはり、天ぷらが一番だ。
ほのかな苦み、もっちりした食感が何とも美味である。

[ 2017/04/11 10:42 ] 食材 | TB(0) | CM(2)

春告げる

満月の十二日夜、春を呼ぶ東大寺二月堂のお水取りの行事も終わった。

冬から春へ。
ここ瀬戸内海では「生のり」、「飯蛸(イイダコ)」がそろそろ終わりを告げる。

のり

笊(ざる)に洗ふとれしばかりの海苔みどり( 山戸暁子)

海苔の養殖は江戸時代中期に始まった。
衰や 歯に食あてし 海苔の砂(芭蕉)。
1㎏200円で今朝購入した生のり、勿論砂は無い、一応洗いはしたが綺麗だった。
酒と醤油で気長に煮るとこんなに少なくなる。

春の訪れを告げる魚と言えば、7日解禁された「イカナゴ漁」。
今年は極端な不漁で高値で手が出ない。
毎年「くぎ煮」を楽しみにしている人には苦い春だ。

シロウオも口にできなくなった。メバルも釣れない。
比較的順調なのはアジ位だ。

これからは真鯛、鰆が旬を迎えるが・・・・
近年は漁獲量が減り続け、庶民の口からは次第に遠のいてゆく。

ああ・・無情の春。
[ 2017/03/13 15:31 ] 食材 | TB(0) | CM(0)