メバル

メバル

母にはまづ目玉をたけのこめばるかな(大石悦子)

筍が旬になると美味しくなるのがメバル。
「春告げ魚」の代表格である。
瀬戸内海で「春告げ魚」といえば、何と言っても「鰆」、字の如く春の魚である。
20日に解禁、21日には風物詩となっている初競がある。

鰆はさぬき人にとっては特別な魚である。
嫁には鰆一匹を実家に持って帰省、骨休めをさせるのだ。
間もなく田植えが始まるが、農家では家族・親戚が集い鰆の押し寿司や味噌漬などで
もてなす「春祝魚(はるいお)」という行事が昔からある。
でもこうした風習や郷土料理も次第に薄れつつある。
残したい一つである。

俳句のタケノコメバル、名はメバルと付いているがメバルではない。
メバルは「クロメバル」、「シロメバル」、「アカ(金)メバル」の三種である。
もう一つは「イカナゴ」、内海では鰆、メバル、イカナゴ、この三つが「春告げ魚」である。

煮なさるか焼きなさるかと目張売り(吉田明子)

メバル、漢字では「眼張」と書く。異様に眼が大きいからだ。
子供の頃は磯からよく釣ったものだ。白身で柔らかく上品な味。
刺身?塩焼き?から揚げ?天ぷら?ムニエル?
いやいや何と言っても「煮付け」が一番だ。
濃い味付けにする人もいるが、素材を活かすには薄煮がいい。
煮汁を煮立たせサッと魚を煮付けるのがコツ。
眼の周辺が特に美味しいのである。
旬のワカメや筍を付け合せる。
春ですね。

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[ 2018/04/18 07:53 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

筍(たけのこ)

たけのこ

掘りたてといふ筍の甘さかな(稲畑廣太郎)

今年も同級生から“今朝、我が山で掘ってきたぞ”と筍を届けてくれた。
木の芽、山椒の若芽が出だすと筍のシーズンだ。
春には欠かせない味覚の一つである。
ところが「筍」は季語としては夏なのである。
初夏の味覚なのだ。

うぐひすを放つやしばし竹の秋(三好達治)

樹木は秋に紅(黄)葉するが、竹は筍に栄養分を取られるため、5~6月頃に
色づき落葉する。これを、「竹の秋」という。
そして秋に立派な竹となり、若葉を茂らせる。これを「竹の春」という。
竹にとっては春が秋、秋が春、普通とは真逆なのである。
七十二候の「竹笋生ず」(笋=筍)は、二十四節気「立夏(5月5日)」の末候である。

何せ朝掘りの孟宗竹、竹の生命の塊である。
ぬかも抜かりなく?添えてある。
早速下処理し湯掻く。20分ほどで竹串がスーと通った。
早い、若くて新鮮な証拠である。

暫く鍋の中に置き、水に取り、皮を剥く。
早速薄く切って刺身状態で食べる。
「えぐみ」は全くない。
取りあえず定番の「若竹煮」にし、残りは水に浸して冷蔵庫へ。

若竹煮

筍ごはん、木の芽和え、てんぷら、お吸い物、ちらし寿司、中華具材に・・
筍はこれからが本番。かたまって呉れるが難点だが楽しめる。
食物繊維は多いが消化が悪いので食べ過ぎには注意だ。

子供の頃、おやつ代わりに湯掻いた皮に梅干を包み、三角形に折って吸ったものだ。
今度孫に教えてやろう。気持ち悪いと言われるだろうか?
これを何と言っただろう “筍しゃぶり”?“梅しゃぶり”?

[ 2018/04/06 09:16 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

水菜の花

水菜の花

プランターの水菜を採らなかったら花が咲いた。
薹が立ったのだ。
「キャベツ」、「ブロッコリー」、「蕪」、「白菜」、「小松菜」、「大根」だって同じである。

でも黄色い可愛い花である。捨てるには忍びない。
花を摘んで食べてみると、少し硬いが甘いし水菜の香りもある。
でもお浸しや胡麻和え、漬物に出来るほどはない。

昼カフェで野菜サラダの上に彩りとして使った。
「綺麗やね、菜の花じゃないし、これ何の花?食べられるの」ときた。
「勿論、まっ、食べてみてよ」、
口に運び、恐る恐る食べるが何だろうという感じだ。
「水菜だよ」、「そう言われれば水菜の味がするわ、花も食べられるんや」という結末。
薹が立った野菜は、普通は廃棄し食べない。
水菜は軸が細いし十分食材になるように思う。

薹が立つ」、今の若い人はこの言葉を知っているのだろうか?
死語とは思わないが、意味を知っていても日常会話では使わないのではないか。

昔は女性軽視的に使われたが、もはやそういった時代ではない。
むしろ薹が立つのも悪くない。
確かに新鮮さやみずみずしさは劣るが、味わいはいい。
人生は年季が入るほど味がにじりでるものである。
我々の世代も捨てたものじゃない。

[ 2018/04/04 20:07 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

レンコン

神世に天より流れ来し水沼なり、生ふる所の蓮根、味いとことにして、甘美きこと、
他所に絶れたり、病有る者、この蓮を食へば早く差えて験あり 
(「常陸風土記」(713))

レンコンは「蓮根」と書くように、地下茎という茎がふくらんだもの。
歴史は古く、弥生時代には存在したとされている。
食用とされたのは平安時代頃。在来種は茶系でほっそりと細長く、柔らかく粘い。
現在広く出回っているレンコンは、明治時代に中国から導入した品種を改良したもの。
粘り気が少なく、シャキシャキとした食感が特徴である。

私はレンコン大好き人間である。
独特の歯ごたえが堪らなく好きなのだ。だから切らしたことがない。
1年中出回っているが、旬は秋から冬。今がまさにその時季である。

レンコンの日」と言うのがある。
11月17日。これは1994年のこの日に、レンコンの一大産地である茨城県土浦市に、
全国の蓮根産地の代表が集まって、「蓮根サミット」を開いたのを記念して制定されたもの。
一方、茨城に次いで収穫量全国第2位。大阪中央卸売市場では約90パーセントという
圧倒的なシェアを誇っているのがお隣の徳島。
11月8日を「徳島県れんこんの日」としている。
『いい(11)は(8)す=良い蓮』の語呂合わせである。

そこでレンコン三種作った。

レンコン3種

① レンコンとサツマイモの甘辛煮
 何れも今旬の徳島産、芋は鳴門金時
② レンコンと落花生のサラダ
  さぬきでも生落花生は採れるのです。今が旬、塩ゆでしてから使います。
  味付けは芥子マヨです。
生落花生 落花生の塩ゆで

③ レンコン餅の揚げ出し
  レンコンとをすりおろし、薄口醤油・塩・片栗粉をまとめ揚げます。
  銀杏や海老などを包んでも美味しいです。

柔かい先端部分はサラダに、歯ごたえがある中央部分は天ぷらに、
硬い根元部分は煮物に使われます。

鉄分やタンニン、ビタミンC・B12、カリウムが含まれ栄養価に富んでいます。
昔から風邪の予防と咳止め他、血液の浄化と増血作用などに効果があるとされています。

ここ2週間余り咳やたん、のどの痛みに襲われました。
レンコンのおろし汁にしょうが汁、塩を入れ、熱湯を加えた「れんこん湯」、良く効きます。

レンコンの穴は9-10個、これは通気孔です。
「見通しがきく」というところから、縁起物として、「おせち料理」に欠かせません。
[ 2017/11/18 13:28 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

香酸柑橘類

レモン

私は街に出て、とある果物屋へ入つた。そして何も買はずに唯一顆の檸檬を買つた。
そしてそれがその日の私の心を慰める悲しい玩具になつたのだつた。……
その冷たさを頬におし当て、また爪の痕を入れてしみじみその香を嗅いだりした。……
たゞその一顆のレモンが五官に反響する単純な感覚のみが紊れからまつた心の焦燥からの
唯一の鎮静剤になつたのだつた。私は傲り驕ぶつて来るのさへ感じた。

梶井基次郎「日記 草稿――第三帖 大正12年秋」

梶井基次郎は短編小説「檸檬」を刊行している。彼の代表作品である。


いつまでも眺めてをりぬレモンの尻 (山口青邨)

私は米酢や穀物酢という類の食酢は嫌いである。
最近はまろやか酢なんてあるが、まず使わない。
使うのは「香酸柑橘類」、大好きなのである。

一番馴染みがあるのがお隣、徳島名産の「すだち」。
旬は終わったが、冷奴は定番、サンマやちりめんに大根おろし絞って醤油を垂らす。
焼魚、刺身、肉、焼ナス、吸い物など何にでもかける。
青い内は果皮を擦って薬味として香りを楽しむ。
焼酎やカクテルにも合う。至福の時である。
「ゆこう」や「かぼす」もあるがすだちがいい。
ただ最近は香りが無くなりつつあるように思う。私だけか?

シークワーサー

これからはレモン、シークワーサー(平実レモン)を楽しむ。
年末になると「ゆず」と「橙(だいだい)」となる。

何と言っても「ゆず」が一番好きである。
年末に毎年高知から「柚子酢」を一升瓶に入れて送ってくれる。
それが楽しみだ。1年中楽しめる。

橙は正月のお飾り、生ポン酢にする。
因みに「ポン酢」の語源はオランダ語の柑橘類の果汁全般を表す「pons(ポンス)」。
スに酢を当てたところが憎いですね。「味ポン」も同様です。
[ 2017/11/06 11:29 ] 食材 | TB(0) | CM(0)