一葉会・大森社中 筝曲演奏会

パフ
小中高と一緒だった同級生から招待状を貰ったこともあり、
昨日は筝曲の演奏会に行った。
祖母が三味線、姉二人がお琴をやっていたので筝曲は馴染みがある。
昔は町を歩いていてもその音色がよく聞こえ、風情があった。
3月22日のブログ「南原繁氏歌碑「ふるさと」の筝曲 楽譜発見」で紹介した方である。


ふるさと

地元出身者の演奏会は入場料も安い、差上げるから来てくれというのも多い。
だから観客も少ないというのが一般的だ。しかも今では馴染みが薄くなった筝曲である。
そう高を括っていたので開場となる丁度13時に会場にいった。何と駐車場は満車だ。



玄関1 玄関2

玄関入口には溢れるばかりの人、長蛇の列だ。
花束も沢山飾られている。大ホールに入ると既に8割は埋まっている。
13時半の開演時には立見や通路に座っている人もいる程の大盛況である。
本人は筝曲をやっていると多くは語らないが、大先生なのだと再認識した次第である。


最初の曲は「京響(きょうひびき)」(菊重精峰作曲)。

Ⅰ筝13人、Ⅱ筝8人、十七絃2人、尺八9人の演奏は圧巻である。
タイトル通り雅であるが、現代的なメロディは私の筝曲のイメージを変えるに十分だった。

京響
「長等(ながら)の春」(菊岡検校作曲)

・・・三井寺の鐘の声さへ吹き返す 風に連れ立ち散る桜 桜さくらに送られて 
 唄うて帰へる桜人々
近江八景の一つ三井寺と周辺の桜の香る風景を歌った地歌である。
「名残を惜しむ」暮れゆく春の慕情を醸し出していた。
三弦、筝、尺八3人というのも味がある。

長等の春
「龍言(りゅうごん)」(小田誠作曲)

作曲したご本人の登場である。箏2部十七絃の3重奏。
十七絃を聞くのは初めてである。
龍は深淵に潜み,春に天に昇るという、低音の響きがその情景をよく醸し出している。
ご本人まだ39歳と若いが、若いだけに力強い演奏だった。

「ことうた追憶」

“この道”“夏の日の思い出”“浜千鳥”“雪の降る町を”と懐かしい曲のメドレー。
箸休めには丁度いい。そして休憩に入った。中々の演出だ。

後半は特別出演。
香川・丸亀出身で尺八の坂田梁山、琵琶の坂田美子ご夫妻の独演会だった。

坂田夫妻

琵琶と言えば、
“祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の
理をあらはすおごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし・・・”

平家物語の冒頭部分「祇園精舎」からのスタートである。
聞きなれた弾き語りではあるが“上手い”その一言である。
夫婦だけに息もぴったり。常にお二人で演奏しているのだろう。
因みに祇園精舎は祇園が付いているから日本・京都だと思っている人が多いが、
実はインド中部のコーサラ国首都「シュラー ヴァスティー(舎衛城)」なのである。

次いで平家物語の「扇の的」

南無八幡大菩薩 我国の神明 日光権現 宇都宮 那須の湯泉大明神 
願はくはあの扇の真ん中射させてたばせ給へ・・・

屋島の戦いの時、義経の命をうけた弓の名手那須与一が、舟上の揺れる扇を
陸からみごとに射落とした、という有名な物語である。ここは香川だから。
弓を引き、飛んでいく様の琵琶演奏は聴きどころである。
それにしても素晴らしい美声、聞き惚れる。

次いで「孤愁」
梁山氏の尺八は極めのような力強さを感じる。

最後は小椋桂作詞作曲によるタイトル曲集「ひたすらに」からの二人の演奏だ。
一転、和のハーモニー、尺八と琵琶でしっとりと、思わず聴き惚れてしまった。
楽器や曲の紹介などを織り交ぜたお二人の軽快な話も、楽しい時間だった。

終局は32名全員による「大地の記憶」(水野利彦作曲)で締めくくった。

全員
今回の演奏会は第九回、2年毎に開催している。次は10回となる。
20年目の節目。大変だろうと思う。本人は80歳までは続けると公言した。
高校の時は筝曲部にいたので半世紀以上になる。継続は力なりだ。
日本の伝統文化継承のためにも健康に留意して頑張って欲しい。
東かがわ市の文化水準は低いと感じていたが認識を新たにした。
最高の演奏会でした。招待に感謝です。


終わり


坂田梁山(さかた・りょうざん)
NHK邦楽技能者育成会第30期卒業。
文部大臣賞受賞他、各種コンクールで受賞多数。七つの音色を操り、音で愛を語る尺八奏者。劇団四季ミュージカルミュージカル、片岡鶴太郎主演ミュージカル、小椋佳、南こうせつ等のコンサート等、様々なミュージシャンと共演し、海外公演も数多く行う。
テレビ・ラジオにも多数出演。都山流尺八大師範。
桐朋学園芸術短期大学日本音楽尺八科非常勤講師。

薩摩琵琶 坂田 美子
第40回日本琵琶楽コンクール第1位、文部科学大臣賞受賞。
古典曲、現代曲にこだわらない幅の広い演奏活動を国内外で展開している。近年は歌の分野での起用も多く、歌、語り、和楽器のコラボレーションを追究するグループ「びかむ」での活動にも力を入れている。心に届く語り、歌、音色を目指している。
国内はもとよりカナダ・中国・タイ等公演での活動の他、テレビ、ラジオ、CMの録音などにも参加している。
現在桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。
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[ 2017/05/22 11:31 ] 和文化 | TB(0) | CM(0)

牡丹色&薔薇色

牡丹 大窪寺

初夏を飾る代表花と言えば「牡丹」。
豪華な大輪の花姿は一輪だけでも気品と風格を漂わせひときわ目を引く。
古くから「百花の王」「富貴の花」と呼ばれ、尊ばれた。

その花色を表すのが「牡丹色」。
ピンク色の一種で、牡丹の花弁の色、明るい赤紫色をさす。
藍と紅花を掛け合わせて染め出される。
明治時代に女性に好まれ爆発的に流行した色である。

赤い薔薇

東洋の牡丹に対し西洋の花王は「薔薇」です。
古代からこれほどまで愛された花は他にない。
赤い薔薇のような鮮やかな紅色を「薔薇色」、“そうびいろ”とも読まれる。

「薔薇色の人生(ラビアンローズ)」「薔薇色の日々」「薔薇色の未来」というように、
幸福や希望に満ち溢れた比喩として使われることが多い色である。

日本原産の野茨(のいばら)には色名はない。
中国から渡来した「庚申(こうしん)薔薇」は平安人に好まれ、
漢名「長春花」から「長春色」と言われる。
英名では「オールドローズ」。
灰色がかった鈍い紅色で、落ち着いた色合いから大正初期の女性たちの人気を集めた。

“花の色は うつりにけりな いたづらに”  色にも流行がある。

薔薇色の日々、薔薇色の人生を送りたいが・・夢ははかないものだ。 

[ 2017/05/13 15:31 ] 和文化 | TB(0) | CM(0)

御朱印帳拝見


私の病気快癒を祈願も兼ね、26回目の四国八十八ヶ所霊場を巡礼、記念の散華
などを頂いた大兄「中川義博」さん。
去る10月3・4日のブログで紹介させていただいた。

その際、「西国三十三カ所観音霊場、真言宗十八本山巡り、奈良、京都、長野など
有名無名を問わず巡っておられる」と書いた。
昨日はその全ての「御朱印帳」を拝見する機会を頂いた。

「西国三十三カ所観音霊場」
京都、大阪、奈良、和歌山、滋賀、兵庫、岐阜に点在する33か所の観音信仰の
霊場で、巡礼行としては日本で最も歴史がある。
観世音菩薩とは観音が三十三の姿に変じて、慈悲と智慧によりすべての人々を
救済する仏である。
因みに、四国には「阿波西国三十三ケ所」 と「讃岐三十三ケ所」がある。

那智山「青岸渡寺」から始まり、牡丹の「長谷寺」、阿修羅像で有名な世界遺産
「興福寺」・「上醍醐寺」、紫式部ゆかりの「石山寺」、琵琶湖の眺望が素晴らしい
「三井寺」、清水の舞台の「清水寺」、桧の一本造りのご本尊「六波羅蜜寺」、
わが国最初の観音霊場「中山寺」など、三十三番は美濃の古刹名刹「華厳寺」、
そして三カ寺の番外がある。
この三十六カ寺を何と5回も巡礼されている。

「真言宗十八本山」
名の通り、真言各宗派の総本山・大本山十八カ寺である。
最大の総本山は無論「高野山」であるが、総や大と付くのが十八カ寺もあるのは
宗派が数多くあるためだろう。

一番は弘法大師生誕の地、香川の「善通寺」、西国の「中山寺」・「長谷寺」も入っている。
嵯峨天皇、華道嵯峨御流ゆかりの「大覚寺」、世界遺産の「仁和寺」・「醍醐寺」、
皇室の菩提寺である「泉涌寺」、京都の代表的な名所「東寺」、信貴山の毘沙門さん
「朝護孫子寺」、根来衆で有名な「根来寺」など、十八番は高野山「金剛峯寺」である。
香川・京都・奈良・和歌山・兵庫に渡る名刹ばかりである。


表側が終われば、裏側を使用する納経帳であった。
多くの寺院の墨書は力強く書かれ、かつ特徴があり、「御宝印」も興味を注がれる。
四国霊場では日付は入ってないが、年月日が入っているので何時参拝したのか
よく分かっていい。

他の納経帳には、
金閣寺、銀閣寺、高台寺、天龍寺、法隆寺、龍安寺、知恩院、鞍馬寺、延暦寺、三千院、
化野念仏寺、神護寺、寂光院、常寂光寺、東大寺二月堂、平等院、千光寺、薬師寺、
浅草寺、増上寺、善光寺、永平寺など歴史と由緒あるお寺ばかりであった。

一寺一寺じっくり拝見しながら其々のお寺のお話を伺った。
興味をそそることばかりで、その博識ぶりには感服の至りである。
御朱印は単に参拝の記念ではない。
ご本尊からの授かりもの、大兄の信仰の足跡として一生の宝物であります。

私はこれら多くの日本の名刹に行かずして一度に参拝させてもらったのである。
何と有難いことである。それぞれの納経帳に何度も頭を垂れた。

高雄の神護寺に参拝した際の話である。
「今は亡き住職の谷内清岳さんと直接話すことができ、厚かましくも書を所望した。
気楽に2つも書いてくれた。
奥様が出てこられ、私が三カ月前から箱書きを所望しているのに一向に書いてくれない。
あなたはどのように所望したのか」と驚いていたとのこと。
逸話を聞き、想像するに、お二人の話合いが余程“高談”であったためご住職は
気分が良く、大兄を大いに気に入られたのだろう、と思った次第である。

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26日に京都国立博物館に「特別展覧会 没後150年 坂本龍馬」に行かれた。
龍馬は言わずと知れた土佐の人、高知には博物館や記念館などに多くの
資料があるが、これらを含め長崎、下関、京都、東京、北海道、宮内庁など
から一同に集め公開したものだ。

大兄の話。
「今展は龍馬直筆の手紙に焦点を当て、彼の心根の真実に迫ることが
中心テーマだった。日帰りで全て見ることは無理、3日間は必要です。
兎に角龍馬は筆まめな人だと感じた。
武市半平太や桂小五郎、久坂玄瑞等の書簡、三吉慎蔵姪の春猪に宛てた書簡、
姉の乙女をはじめ、家族や友人に送った手紙、その中には妻のおりょうとともに
高千穂峰に登山した様子を描いたイラストもあった。
書もさることながら墨絵も旨い。
時に激しさもあるが、人に対する優しさ、気配りがこんなに出来た人だったとは驚いた。
京都の近江屋で襲撃された際の屏風などの黒ずんだ血痕も生々しい。
龍馬の愛用した刀もあった。かつて見た鞘は無かった」なども興味引く話を伺った。

巡礼中の一期一会、信仰と心、運などの話など気が付けば3時間余が過ぎていた。
京都のお土産まで頂いた。感謝あるのみです。 

拝見と話に夢中で納経帳をカメラに収めるのを抜かった。
[ 2016/11/29 16:06 ] 和文化 | TB(0) | CM(0)

”文化の日”にちなむ

11月に入った途端に寒くなった。冬支度が急務だ。
今日は「文化の日」。昔で言えば“明治節”。
2018年に明治維新から150年を迎えるのを前に、祝日法を改正して、
「文化の日」を「明治の日」に改めようとする動きが出ている。

憲法改正もいよいよ現実味を帯びてきた。
「自由と平和を愛し文化をすすめる日」、文化をすすめることになるのであろうか?

香川県と言えば・・・誰もが一番に上げるのが「讃岐うどん」であろう。
別名「うどん県」と言うほどうどんを愛してやまない、消費量全国1位である。

うどん文化の次は何?と問われれば“さて?”と考えるが多いであろう。
遍路、瀬戸内の多島美、瀬戸大橋、栗林公園、直島、オリーブ、ため池、あん餅雑煮、
和三盆などを挙げるのだろうか?

うどん、オリーブは勿論生産量日本一、他に手袋、桐下駄、うちわ、松の盆栽もある。
でも文化という視点で忘れてならないのが「香川漆器」である。
漆器と言えば輪島塗が有名であるが、山中、京、会津に次いで5位の生産量を誇っている。
種類の豊富さでは全国一だ。

江戸後期に高松松平藩の保護のもと、その基礎を築いた人が「玉楮象谷(たまかじ・
ぞうこく」(1807~69)である。
象谷翁の実弟も讃岐彫りの名匠と称され「黒斎」と号して、「文綺堂(ぶんきどう)」
を名乗っている。
象谷翁の後を継いだのが三男の雪堂(せつどう)で父に劣らない彫刻技術を有していた
と言われている。
現在では彫漆、蒟醤、存清、後藤塗、象谷塗の5つの技法が国の伝統的工芸品に
指定されている。

広盆
広盆2
ぶんきどう
広蓋(文綺堂製)横705×縦445×高60

丸盆
雪堂
丸盆(雪堂刀)
[ 2016/11/03 16:11 ] 和文化 | TB(0) | CM(0)

葉月雑感

昨夜はようやく待望の雨が降った。
ここ数日ぐずつきそうだが、水不足解消にはほど遠いだろう。

「葉月」も終盤に差し掛かった。
葉月とは旧暦の8月のこと、今の暦では9月にあたるわけで、
葉が落ちる月、秋なのです。
この他、木染月(こぞめづき)、秋風月(あきかぜづき)、紅染月(べにぞめづき)、
染色月 (そめいろづき)、其色月 (そのいろづき)、濃染月 (こぞめづき)、
雁来月(がんらいげつ)など、秋らしい異名を持っている。

日本の夏は高温多湿というのが大きな特徴だが、今年の残暑の厳しさは異常だ。
今もって35度以上の猛暑日が続いている。
雨は全く降らないのに湿度は高いからなお堪える。
冬の寒さは着込めば何とか凌げるが暑さは裸以上に脱ぎようないからどうしようもない。

「徒然草」に「家の作りようは夏を旨とすべし」との一文がある。
昔の家屋は、家のあちこちには、自然な涼しさを得られるような工夫がなされていいる。
「屋根」は本瓦葺、粘土瓦は断熱性、通気性に優れ、壁は土壁、室内の湿気を吸い取り、
調整してくれます。
「家屋」は木材ですから優れた調湿機能があり、快適な住環境を作り出してくれます。
屋根の「ひさし」は長く、「縁側」があって、夏の直射日光が殆ど部屋に入らないし、
雨を遮ぎってくれるため、窓を開けることができる。

各部屋は「ふすま」や「障子」「簀戸」で仕切られており、開け放てば風通しがよくなる。
「畳」は藁とい草だから、涼しい。
籐で編んだ「とむしろ」や「あじろ」を上に敷けばもっと自然のヒンヤリ感を感じます。
「すだれ」や「よしず」は日よけに良し、隙間から涼しい風を取り込むことができる。
このように日本家屋は蒸し暑い日本の気候に適するよう、
先人の技と知恵が詰つまっています。

涼しい風といえば、「扇子」や「うちわ」ですね、簡単、便利、夏には手放せません。
「浴衣」も夏の風物詩、服よりもずっと風を通しやすく、見た目にも涼しそうだ。
その他、「打ち水」、「風鈴」、「水琴窟」、「釣りしのぶ」「たらい」「行水」「金魚」「かき氷」
「ラムネ」なども涼しさを運んでくれます。
感覚で涼しさを感じさせる演出は、日本ならではの発想でしょう。“涼の文化”です。

エアコンの普及や断熱性の高い住宅、様々な技術開発で私達の生活は快適になった。
私も今夏はエアコン無で過ごせません、その陰でこれらは次第に捨てられつつあります。
地球環境にも優しさが求められる時代、快適さばかりを追い求めていると失うものも
少なくありません。
衣・食・住、全てにおいて季節感が無くなりつつあります。

四季折々の変化を感じる、この季節感こそが日本の文化の良さなのです。
自然と共存するような生活を振り返ってみることも今の日本人に必要なのかもしれません。

Uターンする台風なんて聞いたことが無い。その10号が心配です。
私のに当たる「二百十日」も近い、今年は台風襲来の多い年らしいが・・・
新涼、小さな秋もそろそろ気配を見せそうです。

ひさし縁側
縁側2簀戸
とむしろあじろ
ふうりんうちわ
[ 2016/08/27 09:14 ] 和文化 | TB(0) | CM(3)