氷室(ひむろ)

氷室玄関

梅雨入りした途端、今日からまた夏日が帰ってくる。
体が冷たい物を欲しがる。

今日は、六(ろく)九(く)で「ロックの日」。
楽曲のロック(rock)の記念日だが、夏「ロック」と言えば「氷」である。

今は冷蔵庫がある生活が当たり前、スーパーでも製氷器が置いてあるので
買物をしても氷で困ることはない。

平安の昔はどうだったか。
「氷室」というところに冬に天然の雪氷を保存して、夏に取り出していたのだ。

ひやひやと白気の上る氷室かな (正岡子規)

宮中では「氷の節句」又は「氷の朔日」という献氷の行事さえあったのだ。
自動車も無い時代、氷を融かさず深い山奥から早く運ぶのは大変なことだったろう。
宮中では氷室の氷の解け具合によってその年の豊凶を占ったとも伝わっている。
朔日と呼ばれることから分かるように、旧暦の6月1日に行っていた行事である。

江戸時代、徳川家将軍へは加賀藩主が献上していた。
むしろと笹の葉に厳重にくるんで、120里(約480km)の距離を昼夜4日間かけて
飛脚が運でいたのです。
臣下や家来達が氷を口にして暑気を払ったのですね。
氷はそれだけ貴重な物だったのです。

氷室饅頭頬張りゐたる安居かな (市堀玉宗)

金沢では氷が無事に江戸に着くようにと、神社に天然氷で作った饅頭を供えていました。
それが「氷室饅頭」。
金沢の人々は今でも7月1日に食べ、家族の健康を喜び合っているのです。

氷など食べられない庶民はどうしたのか!氷をかたどったお菓子を食べたのです。
それが外郎生地の「水無月」というお菓子。
三角形は氷片を表したもの、上の小豆は悪魔払いの意味を表しています。
氷室饅頭も水無月も暑い夏を乗り越える吉祥菓子なのです。

東北地方などでは氷の代わりに正月に搗いた餅を寒風に晒して乾燥させた
「氷餅(こおりもち=しみもち)」を田植え時や朔日に食べる風習もあります。

こうしたことから、6月1日は「氷室の日」になっております。

水無月


 氷室
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[ 2017/06/09 09:49 ] 室礼 | TB(0) | CM(2)

夏は来ぬ

端午室礼大

今日5月5日は、「端午の節句」、鯉幟を立て、五月人形を飾り、菖蒲湯に入り、
粽や柏餅を食べる男の子のお祝いの日です。


端午床の間 床の間UP
武者人形飾りし床の大きさよ (稲畑汀子)
端午テーブル1 端午テーブル2
みどり濃き茶をたつぷりと柏餅 (杉良介)
端午テーブル3 端午テーブル4
端午長持ち1 端午長持ち2
棚1 棚2
江戸風景 鯉のぼり
町変わり人も変わりし鯉のぼり(百合山羽公)

昔は5月1~5日は「女児節」といって、女の子を着飾らせてお祝いをする日でした。
また、「五月忌み(さつきいみ)」といって、田植え前に早乙女(さおとめ)と呼ばれる
若い女性が田の神のために菖蒲や蓬で屋根を葺いた小屋や神社などに籠って
けがれを祓い清めていました。
5月5日は女性が主役だったのですね。
これが「男の子の日」に変わったのは武家社会になってからです。

今日は「こどもの日」でもある。
こどもの幸福をはかる趣旨で戦後1948(昭和23)年に制定られた祝日です。

男4人、女2人、6人の孫に恵まれた。
皆大地の力をもらい、元気に育って欲しいと願う。


(注)「端午の節句」の詳細は過去の記事をご覧ください。


今年はたまたま二十四節気の「立夏(りっか)」が重なる。

夏の立つがゆへ也(暦便覧)
夏立つとこの夕風に吹かれゐる(桂信子)

暦の上では夏に入ります。8月7日の立秋の前日までが夏季になります。
若葉・青葉につつまれて新緑が一段と映える美しい季節です。
本格的な夏はまだまだ先。

◆「七十二侯」◆

●初候(十九候):蛙始鳴(かえる はじめて なく)
  古池や蛙飛び込む水の音(芭蕉)
  蛙が鳴き始める雨蛙が鳴き、産卵を始める頃。

●次候(二十候):蚯蚓出(みみず いずる)
  ミミズが地上に這い出る頃

●末候(二十一候):竹笋生(たけのこ しょうず)
  竹笋生(ちくかん・たけのこ)=筍が生えて来る頃
 

[ 2017/05/05 07:34 ] 室礼 | TB(0) | CM(0)

桃の節句(おひな祭)

お雛全体

ひたすら娘の健やかな成長を祈り、祭られてきたおひな様。
先月18日、「雨水」に人形を出し飾った。もう何年続いているだろうか。
以前は亡き父の楽しみの一つだった。

雛飾りつゝふと命惜しきかな(星野立子)

姉から帰ってきたもの、長女のもの、各地で買った小さい置物など、
虫干しも兼ねて毎年出す。
設えながらいつまで出来るものかとふと思う。

可愛かった三人の娘も既に嫁ぎ、それぞれ二人の子宝に恵まれ幸せに暮らしている。
女の孫は二人いる。三家族揃って帰って来るのは年に一度である。
おひな様を眺めては、しばし想いを巡らす。

やさしいちちと
やさしいははとのあいだにうまれた
おまえたちは
やさしい子だから
おまえたちは
不幸な生をあゆむのだろう

どんなにやさしいちちははも
おまえたちとは一緒に行けない


「手から、手へ」(集英社)池井昌樹著



設えても見てくれる人もいない雛人形も寂しそうに映る。

今日三月三日は「桃の節句」、五節句の一つです。
「上巳(じょうし)の節供」、「元巳(げんし)」、「重三(ちょうさん)の節供」、
「雛節供」、「桃の節供」とも言います。

上巳とは、3月最初の巳の日という意味です。
中国では上巳の日に、川で身を清め、不浄を祓った後に宴を催す習慣がありました。
日本でも紙で作った人形(ひとがた)をなでてから川や海に流して穢れを祓うという
習慣がありました。流し雛ですね。


ひな形

小さき御台、御皿ども、御箸の台、州浜なども―の具と見ゆ(紫式部日記)

平安時代、宮中の子供達の間では調度品や紙の人形でおままごとをする
「雛(ひいな=比々奈)遊び」が盛んに行われていました。
これが雛祭りの原型です。

『源氏物語』にも「雛(ひいな)遊び」という言葉が度々登場する。
「三月一日に出で来る巳の日、今日はかく思すことある人は御禊(みそぎ)し給ふべきと、なまさかしき人のきこゆれば、海面もゆかしうて、出で給ふ。いとおろそかにぜむじょうばかりを引きめぐらして、この国にかよひける陰陽師めして払へさせ給ふ。舟に、ことごとしき人形(ひとがた)のせて流すを見給ふに」巻12(須磨)

庶民に広まり、飾るようになったのは江戸時代に入ってからです。

ひな祭りの由来や雛人形の変遷、雛の膳などについて、
過去のブログに書いていますので参照下されば幸いです。

親王(しんのう):最上段
親王

内裏雛人形天皇の御宇とかや(芭蕉)

内裏とは天皇の住まい御所のこと。
天皇皇后両陛下、幸せの象徴となっています。
古来の並べ方は、左上位の考え方により向かって右に男雛、左に女雛。
大正天皇即位の礼から西洋式に逆になった。どちらでも可である。
後に金屏風、両脇にぼんぼり、二人の間には桃の花をさした
瓶子(へいし)をのせた三方を飾り置く。
お膳 お膳は蒔絵本膳

三人官女(さんにんかんじょ):2段目
女官

内裏に仕える女官。
左の女官は、お酒の入った「加えの銚子」を、中央は女官長、三方を、
右の女官は、お酒を注ぐ「長柄の銚子」を持っています。
左右の官女は立っており、真ん中の官女は座っています。
官女の間には紅白の丸い餅を重ねたものを高杯に置いています。
左右に菱餅や桜餅、草餅など季節の和菓子を供えます

七人雅楽(しちにんががく):3段目
七人

一般的には五人囃子(ごにんばやし)です。能を演奏する人たちです。
七人雅楽は左から、火焔(かえん)太鼓、琴、琵琶、鞨鼓(かっこ)、篳篥(ひちりき)、
縦笛、横笛と音の大きい順に並べられます。

七人-1 七人-2

随臣(ずいしん):4段目
随臣

宮廷を警護する儀仗姿の武官、弓矢を持った2人一組です。
向かって右が左大臣(年寄)、左が右大臣(若人)です。
二人の間にはお膳が並びます。

三人仕丁(さんにんしちょう)と橘と桜:5段目
仕丁

宮中の雑用係の人たちです。
3人一組で、白衣を着ています。
沓台(くつだい)を持っている仕丁が真中、向かって左に台笠、右に立傘を持たせます。
左右には右近の橘と左近の桜が並べられます。

お道具と乗り物:6・7段目
お道具

6段目には箪笥、挟箱、長持、鏡台、重箱、針箱衣裳袋、火鉢、茶道具など色々な
お道具が、一番下の7段目にはお籠、御所車など乗り物が並べらます。

茶室 玄関

お二人人形 お膳


小雛1 小雛2

[ 2017/03/03 14:15 ] 室礼 | TB(0) | CM(0)

節分(せつぶん)

座敷全景

「鬼は~外、福は~内」

今日は「節分」です。節分と言えば「豆撒き」。
節分は本来、季節の節目である「立春、立夏、立秋、立冬の前日」のこと。
だから年に4回あります。
旧暦では立春から新しい年が始まっていました。
立春の前日、大晦日の大事な魔除け、邪気祓いの行事でした。
だから節分といえば、この日を指すようになったのです。


立春大吉

豆撒きは「人に疫病をもたらす鬼を追っ払い、来るべき年に福を求める」という
中国、明時代の「追儺(ついな)」という鬼払いの儀式の風習。
室町時代頃に伝わってきました。

鬼が痛がるため、玄関に柊の枝を掲げたり、悪臭で追っ払うよう焼鰯やニンニク、
ねぎを刺しておく所もあります。

豆まきは、元来は米だった。
大豆になったのは穀霊が宿る、五穀の一つで米より大きく、扱い易いこと、
大豆を「 魔目(まめ)」と読み、鬼の目に豆をぶつける。
「魔滅(まめ)」と読み魔を滅する という語呂合わせなどの説がある。


新玄関

玄関棚

テーブルコ

短冊テーブルコ2

近年広まったのが「恵方巻き」。“福を巻き込む”ということで巻き寿司を丸かじりする。
大阪の海苔問屋が広めた風習であり、商売のためと嫌う人もある。
神様のいる縁起が良い方角、恵方に向かって食べる。
今年は「北北西やや北」だ。

福を切らない理由から丸のままというが、礼儀も作法もない。
最近TVでビールを瓶のまま飲むシーンを見かけるがこれも格好いいとは思わない。
恵方巻きは昔、遊女にやらせた遊びでもあるらしく、丸かじり、私はやらない。

今世界を丸かじりしている鬼がはしゃぎ踊っている。
鬼才であればいいが、礼儀・作法も知らない大統領だ。
“退治てくれよう桃太郎”と全世界の良識人が立ち上がっている。

豆まきや役者のうちの昔ぶり(中村吉右衛門)

白鳥神社節分祭
白鳥神社の節分祭(1月29日)四国新聞
[ 2017/02/03 06:48 ] 室礼 | TB(0) | CM(2)

クリスマス

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イエス・キリストをお祝いするクリスマスがやってきた。
ちなみにクリスマスはイエス・キリストの誕生日ではない。

そのクリスマス、恋人と一緒に過ごすのが定説かと思っていたが、
最近のトレンドは家族や友人とのホームパーティーだそうだ。

盛り上げに欠かせないのがクリスマスツリー。
クリスマスツリーの起源は、北欧に住んでいたゲルマン民族のお祭り、
冬至祭から来ていると言われている。

日本で最初にクリスマスツリーが飾られたのは横浜。
1886(明治19)年と言うから130年も前だ。
1900(明治33)年頃には東京の銀座でクリスマス商戦が行われている。
昭和初期にはクリスマスは年中行事となり、サンタクロースは子供のものと定着している。

最近は、家庭だけでなく、住宅一帯、市街地や街路樹を美しくライトアップされた
クリスマスツリーの姿が全国で目にすることができる。
LEDのお蔭ですね。

香川でも高松市街地やシンボルタワー、レオマリゾートのレオマ光ワールド、
まんのう公園ウィンターファンタジーなど大規模な冬のイルミネーションが展開される。

慌ただしい年の暮れのクリスマス、商業主義に踊らされている感じもするが、
世界の人々に夢と感動を与えてくれるのは確かなようだ。

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ローソクを買おうとセリに行った。
クリスマスコーナーに置いていない。
定員にきくと、ローソク?置いてないですという。
絶句!時代が変わったのか、私が古いのか!

クリスマス 飾ったものの クリぼっち

クリスマスソングを聞きながら一人静かに過ごそう。

”皆様良いクリスマスをお過ごし下さいね”。
[ 2016/12/24 11:16 ] 室礼 | TB(0) | CM(2)