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蕗の薹(ふきのとう)

24.2.22ふきのとう

庭の辺の初のみどりや蕗の薹(能村登四郎)
蕗の薹見つけし今日はこれでよし(細見綾子)
ほろ苦き恋の味なり蕗の薹(杉田久女)


「欵冬華 (ふきのはなさく)」、大寒の七十二候の初候(1月20日~1月24日頃)である。"欵冬(かんとう)"とは春の使者、蕗(ふき)のことを指す。ふきのとうが出始める頃、という意味になるが実際は1カ月後、今頃である。

ふきのとうは8世紀頃から栽培が始められ 愛されてきた日本原産の山菜。独特の苦さと香りが特徴で、昔からこの味と香りが早春を感じさせるものとして好まれてきたのだと思う。

ふきのとうは数日のうちにたちまち花が咲き、茎が伸びてしまうので、味を楽しめるのはわずかな期間である。なまじ蕾が美味だけに、このあっという間に薹が立ってしまうことが惜しくてならない。
「ふきのとう」という植物ではなく蕗のつぼみの部分。花が咲いたあと、地下茎から見慣れた蕗の葉が伸びる。土筆と杉菜のように地下茎で繋がっている一族である。

鼻に近づけるとふんわり春特有の香りが漂ってくる。一口食べるとほろ苦さが何とも言えない、大人の味である。子供の頃は関心もなかったが、歳を重ねるほどに好きになる。分かる味というものだろうか。四季もそうだが、日本に生まれたことを幸せに思う。冬の間に黄色い花を咲かせることから 「冬黄(ふゆき)」といわれ、これが詰まって「ふき」になったと言われている。

ふきのとうには雄と雌があることはあまり知られていない。雄株の花は黄色っぽく見えるのに対し、雌株の花は白く見えるので簡単に分かる。雄の方が多い。
苞の中の蕾を食べるのであるがこれは“花”である。ふきのとうは、蕾や開きかけのものがとにかく美味。放置するとトウが立って花が咲き、地下茎から伸びて葉(ふき)が出てくる。北海道や秋田には2mにもなる葉もあるようだが、普通は30~40㎝程度である。

私は香りと苦味が好きなので、茹でるなどあまりアク抜きせず、味噌汁の薬味として食べるか天ぷらが一番だと思っている。少し甘味を加えたふきのとう味噌もいい。これを焼いて食べると酒好きには堪らないのだ。

トウが立ったふきのとうは食べられない。女性に失礼な言い方をした時代もあったが、既に死語になった。雄花もトウが立つというのだろうか?とすれば私はとっくに当確だ(笑)。
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[ 2024/02/22 06:51 ] 食材 | TB(0) | CM(0)

外郎(ういろう)

24.2.21ういろう

うぐひすも外郎つんで初音哉(馬場存義)
外郎も素甘もゆかし宵戎(大屋達治)
雪どけをはやして行や外郎売(一茶)

外郎は蒸し菓子で和菓子の一種である。「外郎」や「外良」と書かれるほか「ういろ」とも呼ばれる。正しくは「外郎餅」という。
老舗名古屋「青柳」のHPには『およそ600年前の中国が元の時代、礼部員外郎(れいほうえんういろう)という薬の調達をする官職にあった陳宗敬(自ら陳外郎と称した)が、日本に帰化し、せきや痰に効く薬を伝えた。その子宗奇は室町幕府三代将軍の足利義満に招かれこの家伝の薬を作り「透頂香(とうちんこう)」あるいは「ういろう」と呼びました』とある。

日本の三大外郎の産地は名古屋、山口そして徳島である。本来は「黒糖ういろう」が本来の姿である。
日本一の生産を誇る名古屋は米粉が主原料、強い粘りと腰がある。山口は、ワラビ粉、くせのないとろりとした食感はワラビ餅に近い。徳島の「阿波ういろ」は、大納言小豆、餅粉、米粉で作られており、砂糖は地元産の和三盆を使っている。もちっとした食感と小豆の深い味が特徴である。味といいきめ細やかな舌触りといい、羊羹のよう、しかも伸びや粘りが強い。

私は伊勢の「虎屋」さんが好みである。材料は小麦粉、食感が異なります。濃厚な味わいでキメは細かい。プルンプルンとした食感が何ともいえない。種類も35程度と多い。日持ちはしないが安いのがいい。名古屋駅の地下にも出店があり、かつては出張の度に必ず買い求めたものだ。
他に小田原、京都、神戸、博多、宮崎など全国各地にあり、同じ「ういろう」でも、地域によって差異が見られ、興味深い。
基本的には、米粉、小麦粉、ワラビ粉などの穀粉に砂糖を練り合わせ、蒸して作る。
小豆あん、抹茶、栗、よもぎなど様々な物が加えられる。

そこで「ういろう」を三種作ることにした。
私は粉1、砂糖1、水2を基本にアレンジする。先ずは「納豆ういろう」。もちもち感を出すため、白玉粉30g、上新粉70g、少し甘みを強めたいと思い砂糖は130gとし、水は200ccと少なめ、納豆も入れ、流し缶で強火で30分蒸す。
蒸している間に電子レンジで2種。簡単で早い。レンジはこんな時便利である。
本来の「黒糖ういろう」。白玉粉20g、薄力粉80g、黒糖15g(甘さ2倍、カロリー半分の黒糖)、水250cc。これをよく溶き、漉して耐熱容器(牛乳パックで代用)にラップをぴったり敷き、上からラップし、レンジ強で5分、ラップを外して2分。冷やして完成。
もう一つは「抹茶ういろう」、上新粉30g、菓子用薄力粉70g、抹茶15g、白砂糖100g、水200cc。レンジ強で2分、固まらない前に甘納豆をお散りばめ、再度3分、ラップを外して2分だ。どれもまずまずの出来栄えだ。
[ 2024/02/21 09:17 ] お菓子 | TB(0) | CM(0)

剪定(せんてい)

なんの木か分らぬほどに剪定す (金森教子)
剪定の下枝一服せるを見ぬ(石川桂郎)
剪定師天に仕へて天を見ず(栗生純夫)


あちらこちらの庭からパチンパチンと音が聞こえてくる。
「剪定」、春の訪れを示す作業です。間違っている人も多い思うが、剪定とは茂った庭木の枝を払い、庭木の形を整えることではない。庭木や街路樹の枝を払うことは「木の枝払ふ」という。夏の季語である。

剪定とは春先に果樹の枝を払う作業で、果樹であることが前提です。りんご・梨・桃・梅などの果樹は3月の初めころ新しい枝を伸ばし始める。伸びすぎた小枝や枯枝を刈り込んで形を整えて実のなりをよくするのが剪定なのです。
芽の出る前に枝を刈り込み、風通しや日当りが良くしてあげる。木の奥や根にまで日が当たらないと実や花の付きが悪くなるからです。

時期的には冬期剪定と夏季剪定があるが、落葉後の木が休眠している寒い冬期にするのが基本です。木にとっては枝を切られることはケガをするようなもの。だからダメージの少ない休眠期の冬にするのです。夏季剪定は、伸びすぎた枝や葉を剪定して、樹木全体の形を整えるのが目的の「軽剪定」が主です。

剪定にはそれだけの専門的知識を要するので、庭師さんにお願いするのが一般的だ。
だだ、切ればいいというのではない。下手をすると花や実が付かなくなる。でも私はネットでのにわか勉強で、自分で剪定をする。問題は脚立、脚立は危険を伴う。高くなるほどふらつくことも多くなり、年を感じざるを得ない。脚立から落ちて頭や腰を打って入院なんてことを聞くことも多々ある。安全に安全にと思ってやるのだが・・・危ない危ない。

剪定していると、ついつい余計に切ってしまうこともある。脚立から降りて全体を眺めてしまったと思うことも度々だ。“木を見て森を見ず”ということか。

両腕も両足も疲れるがまだまだやれる??この意識に危険が潜んでいるのだ。分かっていながらついつい・・・。

[ 2024/02/20 08:27 ] コラム | TB(0) | CM(0)

雨水(うすい)

24.2.19雨水

雨水より啓蟄までのあたたかさ(後藤夜半)
落ちてゐし種ふくらめる雨水かな(滝沢伊代次)
草庵に苔のふくらむ雨水かな(川村清子)


今日は二十四節気の一つ「雨水」。またはこの日から啓蟄(3月5日)の前日までの期間をいう。字のごとく、「空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ」という意味である。

全国的に南よりの風が強まり、気温が上昇し、季節外れの暖かさである。積雪の多い所では雪どけ、ここ讃岐では午後から雨、正に雨水、だが21日以降は再び冬の寒さに、「三寒四温」寒暖差が激しく体がついて行かない。

雪といえば、最初は「初雪」、最後の雪は「終雪」、「名残雪」、そして雪と雨が同時に降るのが「みぞれ」、「氷雨」です。やがて「春雨」「暖雨(だんう)」へと変わって行く。

雪とけてくりくりしたる月夜かな(一茶)

雪のことを「瑞花(ずいか)」目出度い花と呼んだりするが、雪が沢山降った年は豊作だそうだが、今年は大豊作でないかもしれません。

この水の力によって冬の間、眠っていた草木の芽が動き出します。
草木たちの小さな芽吹きに心がときめきます。そんな気持ちに植物達はきっと応えてくれるはずです。花盛り待ち遠しいですね。

二十四節気の雨水に対応する七十二候は以下のとおり
初候:土脉潤起(つちのしょう うるおいおこる):雨が降り土が湿り気を含みだす。
次候:霞始靆(かすみ はじめて たなびく):霞がたなびき始める。
末候:草木萠動(そうもく めばえ いずる):草木が芽吹き始める。


♪春は名のみの 風の寒さや谷のうぐいす 歌は思えど
♪春よ来い 早く来い
♪春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに 愛をくれし君の なつかしき声がする


岩間とぢし氷も今朝はとけそめて苔のした水道求むらむ(西行法師)

昔から、雨水は農耕を始める時期の目安とされてきた。また、この日に雛人形を飾り附けると良縁に恵まれるとも言われている。何故?雛人形は厄を移した人形を水に流していたことに由来するためです。草木も芽吹き、良い縁が芽吹くということもあります。特に午後から飾るのが良いとされているようですが・・・雨ではね。

待たれる春ではあるが花粉に黄砂、越境してくるPM2.5、そして嵐の季節です。
寒さ対策から寒暖差・アレルギー対策へ、体調管理に努める季節でもあります。
[ 2024/02/19 08:29 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)

春一番

春一番どすんと屋根にぶつかりぬ(滝沢伊代次)
春一番二番三番涅槃西風(清水基吉)
紅梅の春一番にとぶ火かも(皆吉爽雨)


気象庁は15日に北陸・関東・四国地方で「春一番」が吹いたと発表した。
北陸は昨年より13日、関東は14日、四国は4日早い春の便りでした。

奇しくも2月15日は、「春一番名付けの日」。今から61年前の1963年2月15日、「春一番」という言葉が新聞で初めて使われたことにちなんで、記念日になりました。
「春一番」は、気象用語で、立春から春分までの間に広い範囲で初めて吹く暖かい南よりの強い風のことです。地域によって定義には違いがあるものの、平均風速が7〜8m/sであることが一つの目安になっている。

「春一番」は、長崎の漁師の間で使われていたと言われています。
今から165年前の1859年の春、現在の長崎県壱岐市の漁師53人が強い南風で遭難、漁師たちは、この強風をおそれて、早春に吹く強い南風を「春一」と呼ぶようになってそれが「春一番」になったとのことです。
長崎県壱岐の郷ノ浦では、今でも、毎年、旧暦2月13日には、どんなに晴れていても出漁せず、「春一番供養」を行っているそうです。

♪雪が溶けて川になって 流れて行きますつくしの子がはずかしげに 顔を出しますもうすぐ春ですねちょっと気取ってみませんか風が吹いて ・・・
キャンディーズの「春一番」です。もう49年も経ったのです。
[ 2024/02/18 07:49 ] 季語・歳時記 | TB(0) | CM(0)